命を生み出すということ ― 繁殖は、決して単純ではありません
先日、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのラテが出産しました。
出産前には「もうすぐお産だね」と楽しみにしていた様子をSNSにも投稿していました。
けれど、出産後すぐに「生まれました」と報告することはできませんでした。
今回、ラテのお腹から生まれたのは7頭の子犬たち。
死産だった子がいました。
無事に生まれてきてくれたものの、その後亡くなってしまった子もいました。
生まれた命をどうにか繋ぎたい。
保温をして、授乳を補助して、状態を確認しながら、できることを続けました。
それでも、助けることができなかった命があります。
どれだけ経験を重ねても、どれだけ準備をしても、人の力ではどうにもできないことがあります。
現在、残っている子犬は1頭です。
ラテは母乳はしっかり出ていますが、自分から継続して育児をすることが難しいため、人がそばで支えながら授乳をさせています。
また、この子には一緒に寄り添って眠る兄弟姉妹がいません。
本来であれば子犬同士で身体を寄せ合い、互いの体温で温まることができます。
それができないため、現在はペットヒーターを使い、保温も補助しながら育てています。
今日で生後5日。
まだ「もう大丈夫」と言える時期ではありません。
小さな身体で母乳を飲み、生きようとしているこの子に、私たちもできる限りのことを続けています。
なぜ、この姿を公開したのか
正直、この出来事をSNSやホームページに出していいのか迷いました。
ブリーダーの発信で皆さんが目にするのは、元気に生まれた子犬たちや、すくすく成長していく姿、新しいご家族が決まり、幸せそうに巣立っていく姿が多いと思います。
もちろん、それも繁殖の一部です。
私たちにとっても、無事に生まれ、成長し、ご家族のもとへ送り出せることは大きな喜びです。
でも、それだけが繁殖ではありません。
生まれてくることができなかった命があります。
生まれてきても、育つことができなかった命があります。
何時間もそばで見守り、温め、飲ませ、できることをしても、それでも助けることのできなかった命があります。
普段、表に出ることの少ないその時間もまた、繁殖の現実です。
だから今回、あえて今のラテと子犬の姿をそのまま公開することにしました。
悲しい出来事を見せたいからではありません。
ブリーダーが大変だということを知ってほしいからでもありません。
「命を生み出す」ということを、簡単なことだと思ってほしくなかったからです。
「うちの子の子どもが見たい」その前に
「この子の子どもを見てみたい」
「一度くらい出産させてあげたい」
「この子とこの子なら、きっとかわいい子犬が生まれる」
そう思う気持ちそのものを否定するつもりはありません。
でも、交配をすれば妊娠して、無事に出産して、母犬が自然に子育てをして、子犬たちが元気に成長する。
繁殖は、そんなに単純なものではありません。
母犬にも命があります。
生まれてくる子犬にも、一頭一頭の命があります。
出産時に何が起こるか分からない。
生まれたあとに何が起こるかも分からない。
十分な知識や経験があっても、救えない命があります。
だからこそ繁殖を考えるのであれば、かわいい子犬が生まれる未来だけではなく、思い描いていた結果にならなかったときまで引き受ける覚悟と準備が必要だと私たちは考えています。
命と向き合う
繁殖とは、命を「生ませる」ことだけではありません。
生まれてこられなかった命も。
生まれてきてくれたけれど、生きられなかった命も。
そして今、一生懸命生きようとしている命も。
そのすべてと向き合うことまで含めて、繁殖なのだと思っています。
私たちもすべてを救えるわけではありません。
何度経験しても、悔しいことがあります。
「もっと何かできたのではないか」と考えることもあります。
それでも、目の前に生きようとしている命がある限り、そのときできることを一つずつ続けていきます。
今回生まれた7頭の命があったこと。
そして今、この小さな1頭が生きていること。
そのどちらも忘れずに、これからも命と向き合いながら繁殖を続けていきたいと思います。
流行ではなく、10年後の姿を考えて繁殖する。
そして、生まれる前から、生まれた後まで、その命に責任を持つ。
それがCuddlyAnimalの考える繁殖です。
Cuddly Animal
住所:茨城県石岡市山崎3745-6
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