「この子の子供が欲しい」と思ったら|犬を繁殖する前に知ってほしいこと
「この子の子供を見てみたい」 愛犬と暮らしていると、そう思うことがあるかもしれません。 とても可愛くて、性格も良くて、大切な家族だからこそ、 「この子の子供を一頭残せたら」 「この子の血を残したい」 そう思う気持ち自体を、私は否定するつもりはありません。 でも、実際に犬の繁殖と出産を何度も経験してきた立場から、一つ知っておいてほしいことがあります。 犬の繁殖は、オスとメスを交配して、子犬が生まれたら終わりではありません。 交配は、長い過程の中の一つの通過点です。 そして、その通過点自体にも予想できないことがたくさんあります。 同じ犬種同士なら、それでいいわけではありません たとえばイタリアングレーハウンド同士を交配すれば、イタリアングレーハウンドの子犬は生まれます。 でも、繁殖を考える時に見るのは「同じ犬種かどうか」だけではありません。 血統や血縁関係、健康状態、遺伝性疾患、身体の構成、サイズ、気質。 それぞれの犬の良いところだけでなく、弱いところも考えながら組み合わせを考えます。 それでも、 良い犬 × 良い犬 = 両親の良いところだけを受け継いだ子犬 とはなりません。 遺伝は、こちらの都合のいいところだけを選んでくれるものではないからです。 実際に子犬が生まれて、初めて分かることもあります。 繁殖は、結果を見て、考えて、次の判断につなげていくことの繰り返しです。 私にとって繁殖は、たくさんのピースを見ながら組み合わせを考える、答えのないパズルのようなものだと思っています。 オスの「子供が欲しい」にも、相手になるメスがいます オス犬を飼っている方から、 「この子の子供を残したい」 と相談されることがあります。 その気持ちは分かります。 でも当然、そのためには相手になるメス犬が必要です。 そして交配後、身体的な負担を引き受けるのはメス犬です。 メスは妊娠し、約2か月お腹の中で子犬を育て、出産し、その後は授乳と育児をします。 だから「うちのオスのお嫁さんを見つければいい」というだけの話ではありません。 相手のメス犬と、その飼い主さんが何を引き受けることになるのか。 そこまで考える必要があります。 妊娠したら、出産までの管理が始まります 妊娠したから、あとは自然に産まれるのを待てばいい。 そうとも限りません。 犬では交配した日と実際の排卵・受精のタイミングが一致するとは限らないため、交配日だけから出産日を正確に予測することは難しい場合があります。 妊娠中には必要に応じて動物病院で超音波検査を行い、妊娠の確認や胎児の状態を確認します。 妊娠後期にはレントゲン検査によって胎児数などを確認することもあります。 食事や体調、運動にも気を配りながら出産を迎えます。 出産は、予定通りに進むとは限りません 私はこれまで何度も犬の出産に立ち会ってきました。 それでも、毎回同じではありません。 以前、交配日から考えていた予定日を過ぎてもなかなか出産の兆候がなく、お腹がかなり大きくなっていく母犬を見た経験があります。 結果的には自然に陣痛が始まり、7頭の子犬を出産しました。 でもその時も、 「このまま待って大丈夫なのか」 「獣医師の処置が必要になるのか」 という判断が必要でした。 犬の難産には、子宮の収縮が弱い、胎児が大きい、胎児と母体のサイズが合わない、胎児の向きや姿勢、産道側の問題など、さまざまな原因があります。 状況によっては帝王切開が必要になることもあります。 出産を見守るというのは、ただ隣で待っていることではありません。 異変が起きた時に、それに気づき、必要なら獣医療につなげる判断をすることも含まれます。 できる限り準備しても、すべてをコントロールすることはできません 排卵時期を確認する。 交配のタイミングを考える。 妊娠中の食事や運動を管理する。 出産に向けて準備する。 できることをしていても、すべてが思い描いた通りになるとは限りません。 私自身、同じ胎内で育った子犬でも大きさにかなり差があったり、残念ながら死産となった子や、正常な発育に至らなかったと考えられるケースも経験しています。 どれだけ準備しても、すべてを人間がコントロールすることはできません。 それも繁殖の現実です。 全頭が健康に生まれてくる保証もありません 健康な両親を選べば、生まれてくる子犬も全頭健康。 残念ながら、そう言い切ることもできません。 親犬の健康状態や遺伝性疾患などを確認して繁殖しても、先天的な異常や疾患を持って生まれる可能性を完全にゼロにすることはできません。 また、生まれた直後には分からず、成長する中で初めて気づく問題もあります。 もし、特別な治療や継続的なケアが必要な子が生まれたら。 治療が必要なら、その医療を受けさせられるのか。 一般の家庭へ譲ることが難しい子なら、自分のもとで生涯飼育できるのか。 「健康で可愛い子犬が生まれる」という未来だけを想像して繁殖を始めることはできません。 予想していなかったことが起きた時にも、その命を引き受けられるか。 そこまで考えることも、繁殖する側の責任だと私は思っています。 無事に生まれたら終わり、ではありません 母犬も子犬も無事だった。 本当にほっとする瞬間です。 でも、今度は子育てが始まります。 子犬がきちんと母乳を飲めているか。 体重は増えているか。 母犬は育児をしているか。 母犬自身の体調は大丈夫か。 必要であれば、人が育児を補助しなければならないこともあります。 「生まれた」というのはゴールではありません。 欲しかったのは一頭でも、生まれてくるのは一頭とは限りません 「愛犬の子供を一頭残したい」 そう思って始めた繁殖でも、一頭だけ生まれるとは限りません。 5頭生まれたら5頭。 7頭生まれたら7頭。 その全頭に、その先の人生があります。 全頭を自分で飼えないのであれば、新しい家庭を探さなければなりません。 でも、ただ「もらってくれる人」を見つければいいわけではないと私は思っています。 その家庭で本当にその犬を飼えるのか。 十数年先まで家族として暮らしてもらえるのか。 そして、もし何かあった時にはどうするのか。 子犬の行き先を考えることも、繁殖する側が背負うものの一つです。 子犬が生まれた日から、十数年の一生が始まります 犬は十数年、長生きする子ならそれ以上生きることがあります。 その間に必要なのはフードだけではありません。 予防医療、ワクチン、健康診断、病気やケガの治療。場合によっては手術や継続的な治療が必要になることもあります。 ブリーダーの場合、繁殖者向けの商品や取引条件などによって、一般の飼い主さんとは費用条件が異なる場合もあります。 それでも、多頭の犬を適切に飼育し続けるには大きな費用がかかります。 一般のご家庭で繁殖するのであれば、 予想以上の頭数が生まれても、全頭を適切に育て、必要な医療を受けさせ、新しい家庭が決まるまで責任を持てるのか。 そこまで交配前に考えてほしいと思っています。 「この子の子供を見たい」という気持ちを否定したいわけではありません 大切な愛犬だからこそ、 「この子の子供を見てみたい」 そう思う気持ちは理解できます。 だからこそ、その気持ちの先にあるものまで知ってから考えてほしいのです。 交配相手を考えること。 妊娠を管理すること。 出産に備えること。 異変が起きた時に判断すること。 母犬と新生児を管理すること。 予想していなかった状態で生まれた子にも向き合うこと。 生まれた全頭の将来を考えること。 そして、その一頭一頭に十数年の人生があります。 繁殖の責任は、子犬が生まれた日に終わるのではなく、その日に新しく始まるものでもある。 私はそう考えています。 もし「愛犬の子供を残したい」「繁殖してみたい」と考えているのであれば、まず繁殖経験のあるブリーダーや獣医師など、専門的な知識を持つ人へ相談してみてください。 ただ犬を交配することではなく、その先に起こり得ることまで考える。 それが、命を生み出す前にできる大切な準備だとCuddlyAnimalは考えています。
Before You Decide to Breed Your Dog
Many dog owners may someday think, “I would love to have a puppy from this dog.”
That feeling itself is completely understandable. When a dog is a beloved member of the family, it is natural to wonder what their puppies might be like.
However, breeding is much more than simply mating a male and a female and waiting for puppies to be born.
Responsible breeding requires careful consideration of pedigree, genetic relationships, health, hereditary conditions, structure, temperament and the compatibility of the two dogs. Even when both parents are healthy and carefully selected, there is no guarantee that every puppy will be born healthy or inherit only their parents’ best qualities.
Pregnancy and birth also place the physical burden on the female. Her condition must be monitored throughout pregnancy, and veterinary examinations may be needed. Labor does not always proceed normally, and complications can sometimes require urgent veterinary treatment or a Caesarean section.
Even after a successful delivery, the responsibility continues.
The breeder must monitor the mother and newborn puppies, make sure the puppies are nursing and gaining weight, and respond when a puppy requires additional care. Some puppies may be stillborn, may not develop normally, or may be born with congenital conditions despite careful planning.
And if five puppies are born, there are five individual lives to consider. If seven are born, there are seven.
A person may have wanted only one puppy from a beloved dog, but every puppy born needs appropriate care, veterinary treatment when necessary, and a responsible home for the many years ahead.
Wanting to see a puppy from a beloved dog is not something we wish to criticize.
We simply hope people understand what comes after that decision.
Breeding does not end when puppies are born. In many ways, a new responsibility begins on that day.
Before breeding your dog, we strongly encourage you to speak with an experienced breeder and a veterinarian and consider not only the puppies you hope for, but also the unexpected situations that may arise.
At CuddlyAnimal, we believe that thinking about those possibilities before creating a new life is an important part of responsible breeding.
Cuddly Animal
住所:茨城県石岡市山崎3745-6
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